活動報告
委託型地域包括支援センターに対する地域活動支援―神戸市における「地域診断研修」
岡田 尚
1
,
松田 真理
2
,
森井 文恵
3
,
宇多 みどり
4
,
都筑 千景
4
1神戸市北区保健福祉部北神保健福祉課
2神戸市北区保健福祉部健康福祉課
3神戸市保健福祉局高齢福祉部介護保険課
4神戸市看護大学
pp.704-710
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200234
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はじめに
神戸市(以下,本市)では,2006(平成18)年度より,地域包括支援センター(以下,センター)を社会福祉法人などへの委託方式により75か所(中学校区圏域ごと)設置し,保健師(または地域活動経験のある看護師:以下,保健師等),社会福祉士,主任ケアマネジャー(以下,主任ケアマネ)に加え,高齢者の見守りを強化するための見守り推進員(現:地域支え合い推進員)を独自に配置している。センターは「高齢者が住み慣れた地域で安心して過ごせるように,地域包括ケアを推進する」機関であり,超高齢社会において期待される役割は多大である。
しかし,センター職員は地域活動経験が少ないこと,個別相談業務などに追われ地域活動に目を向ける余裕がないこと,職員の頻繁な異動などにより地域との顔の見える関係が築きにくいことなどの理由により,地域特性に応じた活動が十分にできていないという課題があった。さらに,個別の困難ケース対応などに忙殺され,やりがいや地域住民とともに地域をよくしていくという“地域活動の楽しさ”を感じられないまま離職していく職員も多く,モチベーションの低下も見られていた。
そこで,センターの地域活動支援を目的に「地域診断研修」を実施し,評価したので,その結果を報告する。
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