特集 改正介護保険と訪問看護事業
地域を支える地域包括支援センターとは
鏡 諭
1
1所沢市保健福祉部高齢者いきがい課
pp.40-47
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100008
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
地域包括支援センターとは何か
介護保険法の改正によって生まれる地域包括支援センターを措置への回帰のための仕組みと位置付けた人がいるが,それは正しい理解ではない。地域包括支援センターへの転換は,第一義には在宅介護支援センターの統廃合を目的としたものであるからだ。
もちろん,給付の縮減として介護予防という概念が持ち込まれ,その新たな概念を市町村の責務とし,運営主体を地域包括支援センターにしたスキームには,給付の拡大の構造はない。この部分で,市町村が介護予防給付をコントロールする役割が大きくなることは否定できない。しかし,介護保険制度創設後,引き気味であった介護保険外の地域ケアを改めて市町村の責任と捉え,より市町村が前面に出たケアの仕組みを目指すことは,それ自体,間違った構造とはいえない。この部分は,地域に必要とされる問題がある限り,地域の仕組みとして対応しなければならない課題だからである。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.