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「食」を通して元気な二神島を!―限界集落における12年に及ぶ住民主体の活動/食事づくりから地域づくりへ―松山市忽那諸島二神島住民の見守り合い
山本 美由紀
1
,
渡邉 八重子
2
1前・松山市地域包括支援センター
2松山赤十字看護専門学校
pp.269-271,316-319
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102392
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地域紹介
人口161人,高齢化率78.9%の島で
二神島は瀬戸内海にある忽那諸島の南西に位置する(図)。東西に細長く,面積は2.15km2ほどの小さな島であるが,近代化されず日本古来の美しさを多く残した島として,世界的に有名な地理雑誌に紹介されたことがある1)。全人口は161人で,そのうち65歳人口は127人を占めており,高齢化率はなんと78.9%である。残る34人のほとんどは65歳に近い年齢である(2013[平成25]年4月1日現在)。
島の人々は,農業や漁業を営んでいる。小学校は2009(平成21)年に閉校となり,診療所,警察署の常駐はない。保健師活動と言えば,1年に1回松山市地域包括支援センター中島地区の保健師が島で出張相談をしたり,特定健診後の保健指導に保健師が来たりする程度で,目立った活動はない。
瀬戸内海忽那諸島南西に位置する二神島の住民は大半が65歳以上であり,高齢化が急速に進行している。総リーダー藤田洋子氏の指導のもと始まった「二神ニコニコくらぶ」と「ふれあいサロン二神」の2つの活動は,食事づくりから住民主体の地域づくりへと発展し,互いに見守り助け合うネットワークを住民間に形成した。限界集落での高齢化に“適応”した活動が現在も行われている。
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