連載 ニュースウォーク・165
認知症ケアの分水嶺か―退院目標値をめぐる議論
白井 正夫
pp.1136-1137
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101765
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NHKテレビの特集番組「日野原重明100歳 いのちのメッセージ」(10月8日放送)を見た。放送日の4日前に100歳の誕生日を迎えた聖路加国際病院(東京)の現役医師,日野原重明さんの記録である。「あと10年は仕事を続けたい」と語る姿に,人を慈しむ心とともにある種の「気迫」を感じた。
映像を見る限り,日野原さんは茶目っ気たっぷりである。しかし,家庭では大きな問題を抱えている。70年連れ添う妻静子さん(91歳)は10年前から認知症を患い,今は会話も困難である。毎日帰宅すると,日野原さんは妻の手を握り,話しかける。自分1人で生活できなくなった「同志」から病気を,苦しみを少しでも取り除いてやりたい気持ちが伝わってくる。
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