特集 保健師を考える・2 市町村保健師のアイデンティティ
市町村保健師をめぐる議論
野村 陽子
1
1厚生労働省健康局総務課保健指導室
pp.336-339
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100371
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市町村保健師は平成14年で全国に21,645人が就業しており,国保保健師が市町村保健師に移管された昭和53年当時の約3倍となっている.このような保健師数の増加は,健康づくり,老人保健制度の創設,母子保健の移管,介護保険制度の創設,精神保健福祉事業の市町村実施などの政策的な要因の影響を受けている.しかし,ここ数年は公務員の定数削減や市町村合併等の影響から,保健師の増加率は減少傾向にある.
昨今の行財政改革,地方分権の推進,そして市町村合併等を背景とした地方自治体そのものの改革が行われ,小さな政府をめざしてアウトソーシングが促進される中で,本稿で取り上げる市町村保健師をめぐる議論は,保健サービスを担ってきた市町村保健師の存在意義にかかわるものであると思う.
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