増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
新生児・乳児の栄養
5.早産児の栄養
7)NICU退院後の発育の目標値
河野 由美
1
Kono Yumi
1
1自治医科大学小児科
キーワード:
乳幼児身体発育曲線
,
早産児
,
small for gestational age(SGA)
,
標準値
,
基準値
Keyword:
乳幼児身体発育曲線
,
早産児
,
small for gestational age(SGA)
,
標準値
,
基準値
pp.643-647
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000660
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一般小児の発育の目標値
一般小児の発育の目標値あるいは目安は何であるか,決まりはないが多くの場合,厚生労働省が10年ごとに全乳幼児を対象に行っている全国調査から作成される成長曲線が使用されている。最新の母子健康手帳には,2010(平成22)年の調査による乳幼児身体発育曲線が掲載されている1)。一方,乳幼児の身体発育や栄養状態の評価,医学的診断については,関係学会の見解などを踏まえ2000(平成12)年の調査結果を用いることとされている2)。子どもの発育には個人差があり,特に乳児期~幼児期前半の発育は,出生体重や栄養法,児の状態によって変わってくる。身体発育は,数字で表されるため保護者は標準値や他児との比較をしてしまいがちであるが,発育の評価を行うときは,1項目だけの計測によらず,少なくも身長と体重の2項目を計測しそれぞれの値の評価と相互の関係の評価を行うこと,1回だけの身体計測ではなく継続的な測定などにより総合的に評価することが必要である。
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