連載 スウェーデンの保健・医療・福祉制度 保健活動の視座から・3
―母子保健活動―小児ヘルスセンターの役割
小野 尚香
1
1神戸親和女子大学
pp.338-343
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101579
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スウェーデンの大都市における乳幼児のヘルスケアは,包括的であり,個別的であり,その人の暮らしと密着している。視点を変えれば,かぎりなくフェイス・トゥ・フェイスの関係性を重視したヘルスケアの実践が積み重ねられ,その結果として,居住地域で,保健師*1を交えたプライマリな関係性をつくり出しているともいえる。保健サービスは,家族の役割を代替しているのだろうか。
子どもが誕生して産後8日間を過ぎてから5歳になるまで,子どものヘルスケアを担う中核的な施設は小児ヘルスセンター(BVC:Barn Vards Central)*2である。5歳を過ぎると学校保健の担当領域となる。保健医療法(HSL:Hälso-och sjukvårdslagen)の趣旨にもとづいて,小児ヘルスセンターは,ランスティング(landsting:日本の都道府県に類する)あるいはそれに相当する行政区のチャイルド・ヘルスケア・ユニット(Barnhälsovårdsenheten)が管轄している。
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