調査報告
タイ・バンコク都ヘルスセンターにおける母子保健活動の現状—わが国の母子保健活動との比較検討
福田 英輝
1
,
福永 冨美子
2
,
前野 さゆみ
2
,
多田羅 浩三
1
1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座
2大阪府摂津市保健福祉部健康推進課
pp.598-602
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902353
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タイ国の首都であるバンコク都は,人口557万人を抱える特別行政区である.現在,バンコク都には,四つのオフィス(offices),13の部局(departments),および38の区(district offices and 2 branches of district offices)が設置されている1).バンコク都以外の75県にあるヘルスセンターおよび公立病院は,タイ国保健省の直接の管轄下にあるが,今回,紹介する都立ヘルスセンター,および都立病院は,バンコク都13部局の一つである保健局および医務局のそれぞれの管轄であり,保健省の直接の管轄ではないのが特徴である.
バンコク都以外の75県にあるヘルスセンターは,タンポン(tambon)と呼ばれるサブディストリクト・レベルに少なくとも一つ設置されており,1997年現在9,132カ所と報告されている.当ヘルスセンターには,准看護婦(technical nurse)あるいは助産婦(midwife)が少なくとも1人常駐しているが,医師,および歯科医師は通常では常駐していない.ここでは,保健サービス,および基礎的な外来治療サービスの両方を提供している2).
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