連載 スウェーデンの保健・医療・福祉制度 保健活動の視座から・1【新連載】
―小児保健活動(1)―子どもの誕生に関わるヘルスケア
小野 尚香
1
1神戸親和女子大学
pp.148-152
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101536
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連載に際して
スウェーデンの社会と,文化と,保健・医療サービス
21世紀初頭の現在,スウェーデンにおける保健・医療制度のユニークさは,そこに広義の福祉的アイデアが織りなされていることである。先端医療の現場においても,ハビリテーション*1の訓練の場においても,地域での保健活動の場においても,専門職の「生活のまなざし」が感じられる。それは,病んでいるときも,障害で困難な状態にあるときも,老いてゆくときも,その人その子どもなりの人生があり,生活があることに向けられる。
保健活動においては,専門職と住民とのあいだに関係性をはぐくむ努力がみられ,福祉の場と同様に,保健・医療の現場でも,その人,その子どもの意思や生活スタイルを尊重することが意識されている。重度な慢性疾患や障害がある場合でも,可能な限り地域という暮らしの場で自立して生きていくことができるよう,エンパワメントが促される。
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