連載 スウェーデンの保健・医療・福祉制度 保健活動の視座から・6【最終回】
地域における子どものメンタルヘルスケア―小児期・青年期メンタルヘルスセンター(BUP)の活動
小野 尚香
1
1神戸親和女子大学
pp.626-631
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101651
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1997年に「特別病院・入所施設解体法(Lagen om avveckling av specialsjukhus och vårdhem)」が成立し,1999年末日をもって入所施設を解体するという政策方針によって,スウェーデンの精神医療は大きくその様相を変えた。現在では,病院での入院治療も必要最小限に留められている。また,ノーマライゼーションの理念を掲げて,差別禁止の方策が進み,2009年には,新差別禁止法(Diskrimineringslag)が施行された。
従来の障害者福祉施策に加えて,このような法制度を背景に,障害者の生活の場は地域のなかで広がり,就労も進んだ。日本のマンションのような集合住宅のなかに,障害者向けの住居が一定の割合で確保され,その暮らしをサポートするサテライトホームなどが設けられている。また,恒常的支援が必要な人にはグループホームが用意されている。
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