調査報告
発達障害児の就学支援における保健師の役割の検討―支援内容の分析から
高橋 佳子
1
,
斉藤 恵美子
2
1東京都立広尾病院
2首都大学東京大学院人間健康科学研究科看護科学系
pp.64-69
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100918
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■要旨
本研究の目的は,発達障害児とその家族への就学支援における保健師の具体的な支援内容を明らかにし,保健師の役割を検討することである。就学指導委員会への参加経験がある保健師4名に半構成的面接を行った。面接後に作成した逐語録から,就学支援対象者の具体的な事例,就学支援における保健師の活動内容,委員会をとおした活動内容について,類似した内容ごとにカテゴリーを作成した。
その結果,就学支援については,「就学準備期」「就学直前期」「フォローアップ期」の3つの時期に区分され,各時期の特徴的な役割が整理された。各時期の支援内容は,「就学準備期」では『保護者を支援する』『児の発育・発達を促す』『関係機関と連携する』,「就学直前期」では『保護者を支援する』『就学指導委員会で連携する』,「フォローアップ期」では『保護者を支援する』『保育園,小学校と連携する』『間接的に支援する』であった。『保護者を支援する』についてはすべての時期で行われており,保健師の役割がとくに重要な時期は「就学準備期」であった。さらに,委員会へ参加することにより,連携が容易となる,個別性の高い就学支援が可能となる,質の高いサービスが提供できるという利点があった。
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