特集 How to Follow-up―ハイリスク児フォローアップの必修知識2023
保育・学校教育
ハイリスク児の就学後の支援と連携
齋藤 朋子
1
SAITO Tomoko
1
1神奈川県立こども医療センター新生児科
pp.549-552
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000863
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はじめに
近年,自閉症スペクトラム(autism spectrum disorder:ASD),注意欠如・多動症(attention deficit hyperactivity disorder:ADHD),限局性学習障害(specific learning disorder:SLD)など神経発達症に関する関心は高まっている。最近の研究ではASDの有病率は約3.3%と5年前の2.2%より増加傾向である1)。また小児のADHDの新規診断率はこの10年で2.5倍に増加している2)。診断基準が変化し特性が軽い子どもも診断に含まれるようになったこと,低出生体重児や生殖補助医療の増加,環境ホルモンなどの化学物質曝露などが,近年の有病率増加の要因と考えられている。超早産児もしくは1,500g未満の極低出生体重児は,ASD 5.6%〔odds ratio(OR)10.3)〕,ADHD 18.8%(OR 5.3)と正期産児と比較して有病率が顕著に高く3),また超早産児の24%に読み書き計算の困難を認めるとの報告があり4),神経発達症のリスク児である。
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