特集 自殺予防 年間3万人のいのちを無為にしないために
コラム:自殺の統計
川上 憲人
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科衛生学・予防医学分野
pp.1161-1163
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100605
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2003年に再度増加したわが国の自殺
厚生労働省人口動態統計によると,自殺死亡数は1997年の2万3494人から1998年に3万1755人と急増した1)。自殺者数はその後わずかに減少し2万9000人台となったが,2003年には増加して3万2109人(男性2万3396人,女性8713人)と再度3万人を突破した。図1はこれを自殺率で示したものである。
2003年には,自殺は死因の第6位,男女別に見ると男性で第6位,女性で第8位となっている。外国人を含む警察庁の統計によれば,自殺者数は1998年から6年連続で3万人を上回っている(2003年は3万4427人)(図2)2)。労働者(管理職と被雇用者の合計)の自殺者数も1998年から8000人を超え,2003年まで高水準で推移している。わが国の高自殺率はまだ予断を許さない状況が続いている。
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