特集 入門! アタッチメントと小児期逆境体験を知る
アタッチメント障害や小児期逆境体験を巡る最近のトピックス
子どもの自殺の増加と自殺予防
髙橋 聡美
1
TAKAHASHI Satomi
1
1一般社団法人髙橋聡美研究室
pp.964-968
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002490
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
自殺対策基本法の成立から約20年,3万人であった自殺者数は2万人台にまで減少した。しかし,子どもの自殺は増加しており,2024年の児童生徒の自殺者数は529人で過去最多となった1)。出生数は9年連続減少しており,2024年は72万988人と過去最少である2)。産まれてくる子どもが少ないなか,これまでにない数の子どもたちが自殺で亡くなっている。2023年にはこども家庭庁も設立されるなど,子ども支援は以前より充実してきていると思われるが,なぜ子どもの自殺が増えているのだろうか。単純に原因を特定することはできないが,子どもの自殺の増加の背景と自殺予防の現状と課題について述べる。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.