特集 自殺予防 年間3万人のいのちを無為にしないために
自殺予防の支援技術―青森県における取り組みから
渡邉 直樹
1
,
大野 裕
2
,
佐藤 恭子
3
1青森県立精神保健福祉センター
2慶應義塾大学保健管理センター
3青森県名川町役場保健福祉課
pp.1164-1169
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100606
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自殺の一次予防から三次予防まで
現在,青森県内の市町村では自殺予防活動が保健師らによって積極的に行われている。2001(平成13)年度より県の「こころのヘルスアップ事業」が開始され,それに連動する形で県と各保健所,そして精神保健福祉センターの協力関係ができあがり,市町村への普及啓発や技術支援が進行している。
自殺予防には一次予防から三次予防までが考えられる。すなわち,一次予防とは住民が自殺を考えずにこころの健康を維持するためにはどのような要因が大切なのかを調査研究し,その結果をわかりやすく住民に還元していく方法である。渡邉らは,この方法を用いて1997年より秋田県の由利町で保健師らと協働して毎年活動を続け,実際に当地域の自殺率の低下を実現させている1)。このエビデンスにもとづき,青森県でも昨年から鶴田町と六戸町で,そして今年に入ってから平内町,三戸町,天間林村,十和田市などで,一次予防の取り組みが進行している。
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