一般内科診療で役立つうつ病の知識-こころの問題にどう対処するか 特殊な病態への対応
自殺企図・自殺念慮
河西 千秋
1
,
井上 佳祐
1札幌医科大学 神経精神医学講座
キーワード:
うつ病
,
危険因子
,
自殺未遂
,
発生率
,
プライマリヘルスケア
,
地域社会ネットワーク
,
自殺念慮
Keyword:
Depressive Disorder
,
Risk Factors
,
Primary Health Care
,
Suicide, Attempted
,
Incidence
,
Community Networks
,
Suicidal Ideation
pp.253-257
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015095433
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日本の自殺率は非常に高く,公衆衛生上の最大課題の一つとなっている.自殺関連行動の多くに精神疾患が関与している.自殺の危険因子と自殺の生じるプロセスが明らかにされてきている.精神疾患には,今なお大きなtreatment gapがある.ルーチンとして精神疾患を鑑別し,スクリーニングを積極的に行う.自殺念慮を積極的に取り扱い,精神科医と連携する.患者の不安を軽減するために,日頃から精神科医との連携構築に努め,信頼関係のなかで患者を紹介する.患者の背景にある生活上の悩みにも耳を傾け,相談勧奨を行う.プライマリ・ケア医自身も,自殺に傾く患者について公的機関を利用し,相談を行うことができる.
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