特集2 児童虐待――家族再統合までの道のり
―支援システムと保健師の役割―家族再統合を考える意味
田上 美千佳
1
,
近藤 直司
2,3
,
田中 哲
4
1東京都精神医学総合研究所
2山梨県立精神保健福祉センター
3山梨県中央児童相談所
4東京都立梅ヶ丘病院
pp.934-937
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100270
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子どもを保護すれば,虐待は解決するわけではない。そこから,新たな支援が始まるといってもいい。多機関が協働して歩む家族再統合までの道筋を,まず概観しておこう。
なぜ「家族再統合への支援」に保健師は注目する必要があるのか?
2000(平成12)年11月に施行された「児童虐待の防止等に関する法律」により,近年,虐待把握件数は確実に増加している。児童相談所における児童虐待相談処理件数は,2000年度に1万7725件と前年度の1.5倍に膨らみ,その後も,2001年度には2万3274件,2003年度では2万6569件と,依然として深刻な実態が続いている。
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