視点
地域ケアシステムにおける老人保健施設の役割
山本 和儀
1
1大東市保健医療福祉センター
pp.658-660
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901348
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わが国の高齢者や障害者児を取りまく状況は,核家族化の進展の少子化などの社会情勢を反映し大きな転換期を迎えようとしている.高齢者を取りまく状況としては,国の大きな施策の一つであるゴールドプランや新ゴールドプラン,都道府県および市町村では平成5年度に老人保健福祉計画が策定された.また,障害者については平成5年3月に全員参加の社会づくりをめざして,障害者に関する新長期計画の策定が国に義務づけられ,同年12月には「国連・障害者の10年」の終了を受けて,その自立と社会参加をより一層促進するため心身障害者対策基本法が大きく見直され障害者基本法として施行された.このような高齢者,障害者施策の中で謳われているのは,施設重視の方向性から在宅重視への施策の転換ということであり,住み慣れた地域社会でできる限り住み続けたいという誰もが本来願ってる思いを実現するものである.
今回はこのような在宅重視の方向性を踏まえ,在宅生活を支援する包括的な考え方としての「地域リハビリテーション」と,その中核的役割を果たす必要があるであろう「老人保健施設」について,筆者の実践を通しての私見を述べさせていただきたいと思う.
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