調査報告
地域支援事業における保健師の役割―地域支援事業の実施状況と保健師の役割調査から
鳩野 洋子
1
,
柴田 則子
2
,
野原 洋子
3
,
齋藤 初代
4
,
露木 美和子
4
,
小西 美香子
5
,
江川 裕美
6
,
篠原 淑子
7
,
鏡 諭
8
,
宇田 英典
9
1国立保健医療科学院公衆衛生看護部
2神奈川県小田原保健福祉事務所
3大阪市健康福祉局
4神奈川県保健福祉部
5横浜市健康福祉局
6東京都東村山市保健福祉部
7倉敷市保健所保健課
8所沢市高齢支援課
9鹿児島県大隅地域振興局保健福祉環境部
pp.1122-1127
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100883
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■要旨
介護予防活動の効果的な推進のあり方を探る一環として,地域支援事業の実施状況や課題から保健師の役割を明らかにすることを目的に,人口規模を勘案して抽出した市区町村に対して郵送法による自記式の質問紙調査を実施した。
有効回答278通を分析した結果,基本健診の実施形態による特定高齢者の把握割合の違いや,特定高齢者施策のうち,実施率の高い事業は委託がされている場合が多く,訪問系の委託が難しい事業は実施率が低いこと,一般高齢者施策は啓発活動の実施割合は高いが地区組織育成の実施割合は低いこと,地域包括支援センターと市町村の情報の流通が不十分であること,全般的な課題として,特定高齢者の把握の困難さや特定高齢者施策が行えていない状況などが明らかとなった。
これらの状況には制度的な問題も大きいが,保健師の活動のあり方で改善できる部分もあると考えられた。このことから,今後の地域支援事業の推進を図るうえでは,保健師が積極的な取り組みを行う必要性があると思われた。
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