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看護基礎教育における地域看護実習の目的と展開—実習目的と学習過程の諸問題からの一考察
石沢 セイ子
1
1山形県立高等保健看護学院
pp.765-772
発行日 1977年12月25日
Published Date 1977/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908974
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はじめに
看護の概念の拡大に伴い,看護基礎教育の目的が,従来の臨床看護偏重から,健康のあらゆるレベルにある対象に対応できる看護婦をつくるというふうに変わってきた.そして,昭和43年に改正された新カリキュラムも,将来に向かって,保助看合同教育を目ざして検討されたものであり,保健婦教育や助産婦教育は,基礎教育を補習する意味での教育であるとされている.これらのことを考えるとき,保助看教育における基礎教育の位置づけは重要であり,基本的性格をもつものであると考える.
新カリキュラムになって以来,総合看護の理念に基づき,実習展開においても,保健所実習は従来の1週間から2週間程度の実習となり,新たに保健所以外の実習場も適宜加えるなど,その充実がはかられてきた.しかし,全国的傾向として学生数が増加し,受け入れる実習施設の不足という問題が起こり,実習期間の短縮など,教育理念に基づいた実習展開が困難になってきている状況である.
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