誌上講座・学生指導・8
第7講 学生参加の問題
徳永 清
1
1明治学院大学広報室
pp.33-39
発行日 1970年7月25日
Published Date 1970/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908955
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■予想される趨勢の対応策
「学生の自治」について語る場合,その延長線上において,どうしてもふれなくてはならなくなった問題のひとつに,「学生参加」の諸問題がある。—これは「5月革命」といわれたパリ大学ナンテール分校に端を発し,全フランスをその渦中にまきこんで,ドゴール大統領に「参加の哲学」を表明せしめた学生運動の主要テーマでもあったし,アメリカはもちろん,ヨーロッパの諸国でも,緊急の課題としてその解決を迫られている,教育界のひとつのポイントである。わが国でも,例の東大確認書の条項のなかに,その具体的な事例がいくつか挙げられ,今後どのような事実として展開して行くのか注目され期待されるところであるし,その他の国公私立の諸大学でも,なんらかの形で,この問題を含んでいない改革案はないというも過言ではなかろうといわれている。
やがて,この趨勢は,とうぜん,看護教育の範囲にも波及してくることは必至であろうし,連鎖反応として時を経るにしたがって,よりいっそうの複雑さと困難さを伴って問題は深刻化し,その波紋はひろがって,とどまるところを知らない状況を呈することであろうと予想される。
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