誌上講座・学生指導・7
第6講 学生自治の本質
徳永 清
1
1明治学院大学広報室
pp.30-36
発行日 1970年6月25日
Published Date 1970/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906343
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■学生の地位
教育機能の自主的な発動を期するために,学生の自治が果たすべき役割について,主として「学生指導」の立場から考察してきたのであるが,「学生の自治」を評価するいまひとつの基準は,学園のなかにおける「学生の地位」が,どのように計量されているか,によって決定されるともいえるであろう。これは,また,次章において詳述する「学生参加」の問題とも,深い関連をもってくる視角であって,看護学生の主体的な意識の多寡と微妙に均衡しつつ,看護学生の学園内における役割と権利を,いかに認識しているかの具体的な表現として,将来の問題処理に現実的な影響をおよぼす尺度になることと思惟される。
過般来の学園紛争の諸過程を通して,いわゆる「改革案」なるものが,「見解」ないし「試案」というかたちで,政府与党をはじめ各種学術団体や民間団体から発表されているが,これらの文章のなかで,「学生の地位」について,いずれも,なにがしかの意見を述べることを忘れていない。いま,それらのすべてについて紹介する余裕を持たないが,およそ,これを分類して幾つかの類型化をこころみるとすると,次のような3つの型に区分することができるであろう。
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