誌上講座・学生指導・10
第9講 カウンセリングの理論〔B〕
徳永 清
1
1明治学院大学広報室
pp.58-64
発行日 1970年9月25日
Published Date 1970/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906376
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■面接技術向上のための諸要件
面接とは,こちらの「誠意」を伝えるための技術であるとして,その面接技術の向上をはかるためには,どのような方法があるのであろうか。よほど特別の例外は別として,普通一般に,生まれて以来今日まで「面接」の経験をもたないという者は,おそらく1人もいないであろう。たいていの人は今までに数千回・数万回の面接を,無意識のうちに行なっているはずである。しかし,その経験を集積して,これを分析し,自己の面接技術向上のために,計画的に研究や訓練をしたという者は,また反対に,きわめて数すくないことと推察される。
昔から,われわれ日本人は,必要以上に,“人みしり”をして,一般に西欧人の社交性にくらべて,面接はあまり上手でないといわれてきたし,また,そう思いこんですごしてきた。いわば,国民性のしからしむるところと,なかば諦めていたようなところもあった。果たして実際に,そうなのであろうか。
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