誌上講座・学生指導・3
第2講 学生指導の理念
徳永 清
1
1明治学院大学
pp.55-60
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906300
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■「学生指導」の語源考察
「学生指導」とは,なにか?—という概念を規定する前に,その語形の歴史ないし語義の発展の系譜について,考察してみることにしたい。これは「学生指導」という熟語の成立の過程や原義つまり,その起源や意味を探求することによって,あるいは,その概念を全体的に把握する軽捷ともなりうるし,また,その理論的主軸の理解を容易にする便法ともなりうる,と考えられるからである。
そもそも「学生指導」という言葉は,強いて言えば,戦後の学制改革に際して,アメリカの教育使節団がもたらした,教育思想の一端であり,また,その後,1951年の秋から1年間にわたって,東京や京都や福岡で順次ひらかれた「厚生補導研究会」(Lloyd博士ら6名の専門家をアメリカより招いて,文部省とCIEが共催した学生指導の新しい考え方と技術を紹介した研修会)の副産物として,関係者の間に,急速に用いられるようになったS. P. S. という略語を意訳したもの,と言うことができる。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.