らいぶらりい 研究者のための文献学・8
参考図書—その種類と使い方(1)
津田 良成
1
,
片山 満紀子
1
,
山内 明子
1
1慶応大学医学部図書館
pp.63-67
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908927
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参考図書とは
専門の知識を得るため,また教養をたかめるための読書の重要性は,古今東西を問わず語りつたえられ,ここで述べるまでもないことです。ところで図書にはその持つ役割に,通読することにおいて,本の著者の意図することを知り,知識を吸収するという目的以外に,特定の事実なり,データなり,解釈なりといった情報を提供するという,もう一つ重要な目的を加えて考えなければならないでしょう。たとえば,専門の知識吸収のために英語やドイツ語で書かれた原書をひもといている場合には,不明な言葉の意味を知るために,英和辞典や独和辞典といった類の辞書を,常に手許において必要の都度これを使用します。
ある薬品の成分を知りたい時,販売元を知りたい時などには,薬品ハンドブックなどを調べますし,ある汽車の上野駅到着時刻を知りたい時は,おそらく90%以上の人が“列車時刻表”をみるでしょう。さらに卑近な例をあげれば,よそいきの服にインクをこぼした時は,まわりに“生き辞引”のような人がいなければ,“家庭百科”の類を見ればいくつかの合理的な方法を知ることができるでしょう。
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