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看護をとりまく問題
木内 妙子
1
1徳島大学教育学部特別教科看護教員養成課程
pp.27
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908918
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ある看護原理と実際の時間—保健婦助産婦看護婦法は看護に従事するものの身分,業務について規定している。注射,特に静脈内注射は医師により行なわれるべきもので,注射などによる医療上の事故が法律問題になると,刑事上,民事上,行政上の責任を医療を担当する側で負うことになるので,注射などを実施するときには,看護業務行為,医行為との関係および業務上必要な注意はどのような場合にでも怠たらないようにすること……と,実際には准看護婦や養成所で勉学中のものが病院などの事情により,1人で夜勤,注射までやっている,私どもがやらねば患者の処置が終わらない。看護婦とまったく同じ仕事をしているのに,与薬時の注意事項などをみると“医師の指示または看護婦の指導のもとに行なう”とあるが実際面では看護婦の指導も指示もされていないから,理解できないというのである。
看護婦不足という問題は,保助看法一部改正(昭和26年4月14日)の一因となり,准看護婦の業務内容は,"医師歯科医師または看護婦の指示をうける点が異なり,他は看護婦と同じ療養上の世話と診療の補助となった。医学の進歩,医療の複雑さにおわれ,他の職種に協力する仕事に多くの時間を費やし,看護の独自の機能をなおざりにすることになれば臨床の場において,法に関係なくこのような意見がでるのは当然と思う。
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