らいぶらりい 研究者のための文献学・4
看護学校に必要な図書
津田 良成
1
,
内藤 寿喜子
2
1慶応大学医学部図書館
2慶応大学付属厚生女子学院
pp.23-25
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906197
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幅広い読書の習慣を
私たちは,本を読むということを覚えてから死ぬまでに,いったいどれほどの本を読むことができるだろうか。どんなに読書家といわれる人であっても,短い一生の間に読める本の数は,そのおびただしい数のほんの一部分にすぎないであろう。
私はときどき,自分の本の読み方を“必要悪”と考えることがある。ということは,数多く読んだもののなかから必要に応じて,必要なものをひきだしてゆくというのではなく,自分の仕事,その他に必要と思われる本だけを,あるいは部分だけを選びだして読む傾向に気がついたからである。必要にせまられて読むときにも,もっと異なったみかたのものを多く読んでおくべきだったと思うことがしばしばある。そのような貧しい本の読み方を,つい時間がない,忙しいということに結びつけ,自分を甘やかしたがるのに気づいて苦い思いをするのである。
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