特集 児童虐待—保健婦の役割
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山田 和子
1
1国立公衆衛生院
pp.654-658
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902912
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平成9年度より,市町村における子どもの心の健康づくり対策事業が創設され,特に育児不安,虐待,いじめなどへの対策が推進,強化されてきている。また,平成9年厚生白書1)に「児童虐待—親子のきずなの歪み」のテーマで子ども虐待が取り上げられ,対策が急がれている。厚生白書では,子ども虐待に対する対策と今後の課題として,①虐待が生じないような環境整備,②早期発見のためには地域全体での取り組み,③虐待の態様に応じた多様な対策の必要性の3点があげられている。いずれの対策においても関係機関が連携をとりながら,総合的な取り組みを行っていく必要がある。
一方,保健機関においても虐待への関心が高まってきている。保健婦学術研究会での虐待に関する発表をみると,平成7年度2)にはなかったが,平成8年度2件3),平成9年度3件4)と少ない件数であるが発表されるようになってきた。しかし,虐待に取り組んでいる保健婦から,「どの程度からが虐待か」「どのように援助をしていったらいいか」「関係機関とどう連携していったらいいのか」などさまざまな悩みを聞く。
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