教育月評
6・3制の再検討について
村松 喬
1
1毎日新聞社
pp.30-32
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908919
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中央教育審議会が,いよいよ本格的に6・3制の再検討をはじめるという。中教審は今年中に大学についての改革案を出すことになっているが,その場合,大学が孤立して存在するのではないから,学校教育体系のなかで考えなければならないとすると,その双方の関連を明確にし,学校教育体系として一貫したものをつくり出す必要に迫られる。同じ線上で大学も,大学に至るまでの教育も,再検討しようというわけである。
いままでの状態で(あえて制度といわず状態といわなければならない)高校までの教育と,大学の教育と研究とがうまく結びつかなかったことは事実だし,私などもその点は常に強調してきた点である。要するに高校までの教育と大学とは異質であって,木に竹をついだような観が強かった。これには理由のあることで,大学は大学として,大学教育をやり,また学問研究をやってきた。その方法は伝統的な方法である。その伝統的なやり方については,実をいうと問題があるが,大学がそれでいいとしてやってきたのは確かなことである。その場合,学問研究が主体であったことも否めない。
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