解説
事例研究の再検討
津田 佳世子
1
,
安住 矩子
2
1神奈川県立衛生短大
2都立保健婦助産婦学院
pp.212-216
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200141
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事例研究の役割
看護の対象が,様々に異なった条件・事情をもった患者や看護場面であるところから,看護領域における研究法として,事例研究法がかなり重要視されている。調査・統計研究が,事象の共通性・一般的原理・原則の分析のための技法であるのに対して,事例研究が個別性を分析し,特殊性に応じて,一般原理・原則がどのように具体的事象として展開されているか,またそれらの個別性・特殊性に対して,看護を行なう立場にあるものとしてどう対処すべきかを,科学的に決定し,理論的裏づけをほどこそうとする技法だからである。
この事例研究法は,二つの目的に使われる。すなわち,いわゆるアカデミックな研究の立場で行なわれる場合と,もう一つは教育・訓練や,業務上の看護方針,技術の選択,決定などに使われる,いわば応用研究の場合である。
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