講座 日本の看護の歴史・15
現代・1
戦後の看護改革 [1]戦後の人びとの生活と健康/[2]日本看護協会の発足と保助看法の制定/[3]新しい看護教育の開始/[4]看護実践の改革
遠藤 恵美子
1
,
加藤 文三
1
,
上坂 良子
1
,
坂本 玄子
1
,
高橋 政子
1
,
名原 壽子
1
,
渡部 喜美子
1
1看護歴史研究会
pp.624-631
発行日 1988年10月25日
Published Date 1988/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908559
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1945(昭和20)年8月15日,15年にわたる長い戦争が終わった.連合国最高司令官マッカーサーは10月11日,婦人の解放,労働者の団結,教育の民主化,専制政治からの解放,経済の民主化の「5大改革」と憲法の自由主義的な改正を指令した.これに発する「戦後改革」のうち,もっとも重要なものは1946年11月の日本国憲法の制定であった.この新憲法は,国民主権・基本的人権の尊重・戦争放棄の3原則を決めたが,医療・看護にかかわる問題としては,第25条1)で生存権をうたった.
1950(昭和25)年の朝鮮戦争の前後から,日本のアメリカへの従属が強まる.翌51年のサンフランシスコ講和条約で,日本は形式的には主権を回復したが,アメリカ占領軍は日本に駐留したままであり,警察予備隊(後の自衛隊)も創設され,また経済的には,朝鮮戦争による軍需品製造のための特需景気で,戦前の水準を回復した.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.