講座 日本の看護の歴史・12
近代・4
大正期の看護制度と教育 [1]大正期の人びとの生活と健康/[2]第1次大戦とシベリア出兵の救護活動/[3]内務省令看護婦規則の発令/[4]専門学校レベルの看護教育の発足
遠藤 恵美子
1
,
加藤 文三
1
,
上坂 良子
1
,
坂本 玄子
1
,
高橋 政子
1
,
渡部 喜美子
1
1看護歴史研究会
pp.436-443
発行日 1988年7月25日
Published Date 1988/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908533
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大正期には,資本主義がさらに発達し,独占資本主義の段階に達した.財閥の基礎がつくられ,「成金」も生まれたが,他方では河上肇の『貧乏物語』がとりあげたような貧困の問題も深刻であった.貧富の差はいつの世にもあるが,大正期の特徴は,中間層としての市民階層の出現である.
労働者と農民が労働組合や農民組合を結成し,各種婦人団体が生まれたのもこの時代である.天皇機関説や民本主義が唱えられ,市民層の広い支持を得て,政党内閣制や普通選挙制が実現された.こうした思想や運動を,大正デモクラシーとよんでいる.
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