看護人間学のための論理療法入門・13
実践編の4 憂うつ
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.558-561
発行日 1988年9月25日
Published Date 1988/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908550
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深い憂うつ感
ハーパー博士が扱ったリック・シュールのケースもなかなか興味のあるものである.
リックはある時言った.「こういう憂うつな感情を作り出す源となっている内面的なものを直視するように,と言われる先生の考えは,全部よくわかります.しかし,私の場合,その文章が浮かんでくるメカニズムがわからないのです.私は無意識のうちに憂うつな気持ちになってしまう,ということを知ってほしいのです.ですから,それが起こる前に意識的に目を向けて,それを抑制する方法がすこしもわかりません」
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