連載 失敗例から学ぶプレゼンテーション患者説明から学会発表まで・3
患者と医者のすれちがい―目的と目標分析
竹本 文美
1
,
植田 育子
2
,
田中 雅美
3
,
八幡 紕芦史
4
1JCHO東京城東病院内科
2慶應義塾大学医学部循環器内科
3津田沼中央総合病院病理センター
4国際プレゼンテーション協会
pp.1346-1350
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107674
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患者さんは頑固?
腎臓内科医のあなたは78歳の末期腎不全の外来患者を診ている.患者さんは,独り暮らしだが,近くに息子夫婦が住んでいて,生活にはあまり不自由はないらしい.しかし,足が悪く外出するのは付き添いが必要なようだ.今日は月1回の診察日で,息子の嫁が付き添って来院してきた.
あなたは診察の後で,今後の腎代替療法について話をした.「腎臓の機能が落ちていて,老廃物がたまり尿毒症の症状が出ています.このままだと命にかかわる危険な状態になります」.そして治療法について話し始めた.「腎臓の代わりをする治療には血液透析,腹膜透析,腎移植の3つがあります」と選択肢を示し,さらにそれぞれの治療法について丁寧に説明した.
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