教育技術ゼミ
授業目標の設定
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.118-119
発行日 1967年9月1日
Published Date 1967/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905881
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■目標設定する形体
前号では授業の目標について,それを学生に明示することによって,学習の目的や価値を自覚させることが動機づけに役立つということを述べた。今月は別の角度からもう一度授業の目標について考えてみよう。授業の目標をどういう形で設定するのがよいかという問題である。
教師の授業活動は目標を設定するところから始まる。教材を研究したり授業の計画を立てたり,授業の方法や技術をくふうしたりするのは,その目標を達成するための手段である。その意味では,教師の授業活動は一つの仮説であり,その仮説は授業の目標が達成された場合には受容され,目標が達成されなかった場合には,棄却されてさらに新しい仮説が立てられることになる。授業の計画や実践はこうした仮説実証的研究を通じて次第に改善され,多くの教師が利用しうる公共的な知識となってゆくのである。
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