特集 臨床実習・その1
職業人として自己を充実させる実習指導を目指して—重症心身障害児(者)の実習から
関 和子
1
1静岡市立看護専門学校
pp.231-234
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907953
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看護の対象は人間であり,人間の全体像を理解するために多大な力が注がれている.看護教育においては,学生にいかにして人間理解の能力を身につけさせるかが課題であると思う.その第1段階として,自己を理解すること,すなわち自分を冷静に見つめ,客観的に自分がわかることが必要ではないだろうか.本校は指導方針を自己理解に重点をおき,学生が学校生活の中で自己を振り返り,見つめ直す機会を多く持てるよう検討している.3年次においては実習を通し,職業人としての自己を充実させることを目標とした.その一例として3年前期に,小児看護の一環として行っている重症心身障害児(者)〔以下,重症心身障害児(者)を‘想児’と記す〕の実習について述べる.
短い実習期間(3日間)ではあるが,言語的コミュニケーションのほとんど不可能な患児に接し,自己の生き方や,看護を振り返ることができ,3年次の目標に沿った実習であったので,ここに報告する.
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