Japanese
English
特集 リハビリテーションにおけるリスクへの対応
重症心身障害児
Children with severe motor and intellectual disabilities.
上原 さおり
1
,
小池 純子
2
,
伊藤 利之
1
,
木村 清次
3
Saori Uehara
1
,
Junko Koike
2
,
Toshiyuki Ito
1
,
Seiji Kimura
3
1横浜市総合リハビリテーションセンター
2横浜市障害者更生相談所
3横浜療育園
1Department of Rehabilitation, Yokohama Rehabilitation Center
2Yokohama Municipal Rehabilitation Counsel Office for the Disabled People
3Yokohama Ryouikuen
キーワード:
高齢化
,
ライフステージ
,
リスク管理
Keyword:
高齢化
,
ライフステージ
,
リスク管理
pp.617-624
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109530
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はじめに
医療の進歩により,重症心身障害児・者(以下,重症児と略)の寿命は伸びており,高齢化に伴う新たな問題の発生など合併症や死因も変化しつつある.重症児にみられる随伴障害と合併症や二次的障害を表1にまとめた.
重症児のリハビリテーションでは,随伴する障害や合併症などへの対策を行いつつ,できる限りの介護量軽減を図り,より安全で快適な生活の実現と家族の一員として社会参加することが目標となる.そのためには,重症児の抱えるさまざまなリスクに対応することが不可欠である.リスクについてはいろいろな捉え方があるが,ここでは,重症児にとって身体的不利益になること全てをリスクと解釈する.そして,身体状況(症状・病態・合併症など)を把握し,適切な対応(診断・評価・アプローチ)を行うとともに,介護者も含めた生活面の改善を図ることにより,重症児にとっての身体的不利益を最小限に留めることをリスク管理と考える.
なお,ここでは,運動障害と知的障害を基準とした大島分類の1~4(座位以下かつIQ35以下)を対象とする.一方,最近の救命医療の進歩に伴う濃厚な医療・介護の継続が必要な重症児を「超重度障害児(超重症児)」とする概念がある.これは継続的に必要な医療ケア・介護度をスコア化した判定基準に基づいて判定される.また,その周辺の要医療児・者を「準超重症児」と言う1).
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