Japanese
English
特集 姿勢保持のアプローチ
重症心身障害児・者の姿勢保持
Posturing in Institutionalized Children and Adults with Mental and Physical Handicaps.
長屋 政博
1
,
永井 純三
2
,
奥村 庄次
2
Masahiro Nagaya
1
,
Junzo Nagai
2
,
Shouji Okumura
2
1国立療養所中部病院リハビリテーション科
2東名ブレース
1Department of Rehabilitation Medicine, Chubu National Hospital
2Toumei Brace
キーワード:
重症心身障害児・者
,
姿勢保持
,
体幹機能障害
Keyword:
重症心身障害児・者
,
姿勢保持
,
体幹機能障害
pp.711-716
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108166
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はじめに
厚生省は1966年に,重症心身障害児・者(以下,重障児・者と略す)とは重度の肢体不自由(身体障害の程度が1,2級)と重度の精神発達障害(知能指数が35以下)を併せてもつ障害児・者と定めている.重障児・者は,運動麻痺,てんかん,行動異常などの中枢神経障害に基づく問題だけでなく,脊柱側彎症,股関節脱臼,足部変形,骨折などの整形外科疾患,咽頭炎,喉頭炎,気管支炎,肺炎などの呼吸器疾患,貧血などの血液疾患,褥瘡,化膿性皮膚疾患,疥癬などの皮膚疾患,結膜炎などの眼科疾患,歯科疾患など多彩な合併症をもっている.特に脊柱の側彎や股関節脱臼および関節拘縮等の変形が生じてくると,日常生活における介助の負担も増加するだけでなく,心,肺,さらには腹部内臓を圧迫し,呼吸器感染症やその他の合併症を引き起こし,予後を不良にする要因となる.
本稿においては,脊柱の側彎や股関節脱臼など重障児・者の姿勢保持に影響を与える体幹機能障害の特徴を述べるとともに,それに対する対処法について報告する.
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