特集 現場に役立つ看護師をいかに確保するか
大学における臨地実習充実への取り組み
横田 素美
1
1福島県立医科大学看護学部
キーワード:
看護実践力
,
臨地実習
,
自己学習支援
Keyword:
看護実践力
,
臨地実習
,
自己学習支援
pp.300-303
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101424
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2006年3月に厚生労働省が設置した「看護基礎教育の充実等に関する検討会」は,翌年4月に看護基礎教育(保健師教育・助産師教育・看護師教育)のカリキュラム改正案,ならびにその実施に伴い必要とされる教員や実習指導者に関する事項を中心に報告書をまとめた.その中では,「看護学生の看護実践能力を強化すること」が重要なポイントとして取り上げられており,保健師・助産師・看護師にとって必須の技術項目が掲げられ,卒業時の到達度も明確に設定されている1).
また検討会は,看護基礎教育カリキュラムの見直しについて,1996年の改正から10年以上が経過しており,看護を取り巻く環境の変化に伴って,早急な対応が不可欠であることも指摘している1).このような動きに呼応して,文部科学省においても保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下,指定規則)が改正された場合の大学・短期大学への適用課題等が検討された.これらの検討内容を踏まえ,2008年1月に指定規則の一部改正が公布され,2009年度の入学生から新カリキュラムを適用するために,看護基礎教育を担う教育機関では改正作業が行われた.筆者が勤める大学(福島県立医科大学)においても,これからの社会構造や医療技術の進歩等を見据えながら,看護基礎教育において,どのような看護職者の育成を目指すべきか,そのためには何をコアにすべきか等々を論議し,カリキュラムを見直してきた.その過程の中で,学生の看護実践能力を高めるための臨地実習のあり方について,現状の改善や今後の取り組みを検討した.ここでは,臨地実習の充実を図るための方策を,私見も含めて述べていきたい.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.