Japanese
English
特集 摂食・嚥下障害
重症心身障害児
Diagnosis and Management for Dysphagia in the Severe Motor and Intellectual Disabilities.
向井 美惠
1
Yoshiharu Mukai
1
1昭和大学歯学部口腔衛生学教室
1Department of Hygiene and Oral Health, Showa University School of Dentistry
キーワード:
機能評価
,
発達障害
Keyword:
機能評価
,
発達障害
pp.429-434
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109226
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はじめに
摂食・嚥下に関わる上部消化器官である口腔・咽頭は,同時に呼吸器官でもある.乳幼児から小児期は,これらの部位が解剖学的な形態成長の時期にあるため,形態変化を常に考慮して機能の発達と障害に対応しなければならない.これが,発育期の摂食・嚥下障害への対応の基本となる.また,摂食・嚥下障害がある小児は,食物摂取が困難なばかりでなく,呼吸との協調不全によって,食事中にむせや咳込みなどの苦しみが続くことによって,食事に対する不安感から口を動かすことが少なくなり,摂食・嚥下障害が悪化している場合も多い.特に障害が重度の場合には,日常生活における不適切な食環境や感覚―運動の体験不足などの要因の関わりが大きいことも多い.
重症児の摂食・嚥下障害の評価と訓練治療にあたっては,表に示した原因となる小児側の疾患と,発育過程の介護方法を含めた環境因子の両面から考えなければならない.
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