続・教育人間学の探究・12
エピローグ[後]
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.829-833
発行日 1983年12月25日
Published Date 1983/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907917
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教養主義的人間観
私の人間理解の探求は,そのこと自体が目的なのではなかった.あくまでも,現代の人間形成のもろもろの問題から発し,そこにおけるより好ましい人間形成論,教育論への手がかりを求めようということが第一義であった.
私の乏しい教師体験によっても,子どもの人間形成の問題点は極めて深刻なものに映った.少しの困難やつらいことを辛抱できないこと,わがままで甘えが強いこと,依存心・依頼心が強く思いやりに乏しいこと.こう考えてくると,憲法や教育基本法でいうところの人格完成にはほど遠いことと,だれにも思われた.
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