連載 看護ボヘミアン—出会いと発見のつれづれ・12(最終回)
それからのつれづれ—エピローグはプロローグ
林 千冬
1
1東京大学大学院医学系研究科博士課程
pp.868-869
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904641
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人生30ン年,根が楽天的なせいか「後悔」の2文字にはあまり縁のない私が,たった一度だけ深く「後悔」の念に苛まれた時期があった.1986年春.大学の看護学部に編入した頃のことである.
3年生に編入したはずの大学だったのに,准看—「進学コース」出身の私は,短大での実習単位が認定されず,わずかの単位のために5年生まで(4年生を2度)やらされるハメになった(ついでに言わせてもらえば,これは入学後に判明したことなのだ).同じ試験に合格したのになぜ「進学コース」だからと差別されるのか,承服しがたい思いが渦巻いた.加えて,もともと看護職としてのスタートが遅かった身には,1年の延長さえとても大きく感じられた.
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