教育実践レポート
成人看護学実習に交流分析を取り入れて—実習における学生・患者間の効果的な人間関係をめざして
佐伯 恵子
1
,
安森 由美
1
,
曽我 久子
1
1大阪府立看護短期大学
pp.555-561
発行日 1982年9月25日
Published Date 1982/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907716
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
臨床実習において学生がまず経験するのは,自分と患者との人間関係を樹立することの難しさである.患者を援助し,健康の向上あるいは安楽な死を迎えるための看護を成功させる鍵は,患者と看護者の相互作用のいかんによるとされている.この意味で実習指導には,患者とのかかわり方の訓練を重視しなければならない.
‘成人看護学I’(内科系)実習において,学生は疾病の受容期にある患者を受け持つ.受け持ち患者の多くは依存的で,どの看護者に対しても決まりきった型どおりの対応をするため,学生は患者の見せかけの言動に左右されやすい.また,‘癌については真実を告げない’という現在の治療方針に沿って行う患者との対応に戸惑っている.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.