特集 患者の参加した死への援助—交流分析を用いての試み
交流分析と患者心理
白井 幸子
1
1国立療養所多磨全生園
pp.691-697
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918994
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.交流分析(transactional analysis)について
アメリカの精神分析医エリソク・バーン(ErickBern)によって開発された交流分析は,その成立の過程から,フロイドの精神分析の口語版と言われているが,精神分析と同じく,自分を含めた人間の心の状態や言動を理解するためのひとつの手段であると見なされている.
フロイドの創始した精神分析について以前から,‘その理論が難解で,一般の人になじみにくく,しかも,経済的にも,時間的にも余裕のある人だけにしか適用できない’という問題点が指摘されていた.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.