実践報告
主体性を引き出す「仕掛け」の条件とは―“謎解き”を取り入れた学校間の交流会から
高橋 千恵子
1
,
水戸 加奈子
2
1独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院附属看護専門学校
2前 独立行政法人労働者健康安全機構 中部労災看護専門学校
pp.848-852
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201571
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はじめに
中京病院附属看護専門学校(以下、本校)では、2018年度から看護学校間の交流を試みている。2年間の交流の様子からは、スポーツでの交流は楽しめるものの、茶話会の交流には難しさがあると感じられた。そのため、異なる学校の初対面の学生同士が楽しむことができる交流の方法がないかと模索した。できれば1回だけの交流にとどまるのではなく、交流し続けたいと学生が望み、継続した行動に発展できるものがよいと考えていた。なぜなら、地域で暮らす人々の健康を支える「これからの医療人」となる看護学生にとって、地域の同職種の連携を図ることができるネットワーク力をもつことが重要だと考えるからである。
本校と中部労災看護専門学校は、2019年度に“謎解き”を取り入れた交流会を実施し、前述の期待に応える成果を得た。初対面にもかかわらず、学生同士が活発にコミュニケーションをとってチームを形成しただけでなく、最終的には個々の悩みをシェアしたり、ともに「学習して高め合いたい」という感想まで聞くことができた。この取り組みから、学生の主体性を引き出し、モチベーションを高めるために必要な教員の役割とは何か、示唆を得たので報告したい。
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