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学生が患者との関係形成を築く過程で学べることは何か—実習中の受け持ち患者の交代に対するプロセスレコードの活用
阿神田 節子
1
1山口赤十字看護専門学校
pp.414-421
発行日 1980年7月25日
Published Date 1980/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907459
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はじめに
看護教育の中に独自的な位置を占める臨床実習で,そこにおいてしか学べないものは何なのかが問われ始めて久しいが,結局帰ってゆくところは,患者である人間との関係形成という,過去から言われ続けられていることのような気がしている.しかし狭義の意味における<技術>の訓練は,現実の看護現場が要求しているかぎり避けられない実習の重要な部分であり,結局は,この両側面を冷静に受けとめ総合してゆくほかはないのではなかろうか.
野島良子氏は‘臨床実習でしか学べないものは患者という人間との関係の形成であり,これは手技とか技術とかを軽視するのではなく重視するがゆえに学生自身が自分の中に必要と感じとった後,熟練してゆく.つまり観察の結果どのような原因でひき起こされ,何をめざしているのかを,その患者に直接結びつけて考えてはじめて手技とか技術を使う……’(“臨床実習でしか学べないものは何か—私の経験的臨床実習指導論”1,2,看護教育,20(3),149-154,20(4),236-244,1979)と患者との関係形成を基礎においている.
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