特集 切迫早産長期入院妊婦の看護
「安静度」とその看護
受け持ち制でより深い関係形成を
名取 初美
1
,
雨宮 博美
1
1山梨医科大学医学部付属病院産婦人科病棟
pp.489-492
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901264
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はじめに
切迫早産の妊婦は長期の入院を余儀なくされ,時に数か月に及ぶこともある。切迫早産による長期入院患者の治療としては,安静に加え,ほとんどの妊婦にβ刺激剤の塩酸リトドリンの持続投与が行なわれる。そうした治療を受ける妊婦への看護としてはまず切迫早産の症状と児の状態の観察を行なう。観察は重要な看護の柱である。しかし,精神的・身体的苦痛と社会的問題をかかえる妊婦に対し,私たちはもっと主体的に,積極的に看護援助を展開できないだろうかと考えつづけてきた。市川1)は切迫早産妊婦の事例研究に取り組む動機として,入院中の妊婦に対し看護の姿勢が曖昧で,その場での対応に終わってしまうことがあるからだと述べている。私たちも同感である。
いろいろな不安を持ち,日常生活上の制約を強いられる妊婦を,トータルにとらえ援助していく看護が必要であると考える。
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