特集 親と子のきずな--看護職の課題
母子関係成立の契機—プロセスレコードにみる看護の役割
油井 洋子
1
1愛育病院産科
pp.496-503
発行日 1984年6月25日
Published Date 1984/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206467
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はじめに
母子関係の研究領域において,近年,産褥早期の母児接触のあり方が,その後の母子関係に重大な影響を与えることが強調されており,接触の時期や時間,児の皮膚の露出程度等に関して多くの研究が報告されている。われわれ看護者の立場から考えると,それらの条件とは別に,看護者の働きかけ方によっても母子関係に影響を与えるものと考える。看護者が,産褥早期の母児にどう働きかければ,望ましい母子関係成立への援助ができるかを明らかにするためには,母児接触中の母児の反応とともに看護者の働きかけ方を同時に検討する必要があるものと思う。そこで私は実際に看護者として産褥早期の母児に関わりながら展開した看護過程をプロセスレコードに起こし,その分析を試みたのでここに紹介してみたい。
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