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予後不良患者の看護—患児・両親・看護婦の心理反応とその働きかけ
山崎 慶子
1
1東京女子医科大学看護短期大学
pp.561-568
発行日 1977年9月25日
Published Date 1977/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907133
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はじめに
ここ数年,予後不良患児の看護や小児の死,死にゆくことについてのディスカッションが非常に多く見られている.当小児病棟でも,そのようなケースが比較的多く,看護婦は常に患児と家族,社会とのつながりを含めて満足なケアができたかどうか,母親はどんな態度で児の死を受容できたかなどと,看護の評価を心がけている.
ここに発表する報告は,次の目的をもったものである.1つは乳児,幼児,学童病棟における4つの事例報告を行い,患者の変化してゆく状態別に3つの段階,すなわち第Ⅰ期・急性期で病気を診断されて,治療によりまず状態が落ち着くまで,第Ⅱ期・寛解期で治療は続けられたが,患者の状態も非常に落ち着いている時期,第Ⅲ期は末期で,これをさらにⅢの1期・状態悪化の時期と,Ⅲの2期・死の直前・直後にわけて行った看護ケアを報告し,乳児,幼児,学童のケアの共通点や異なった点を抽出することである.2番目は,4つの事例報告からケアにおいて,看護婦が陥りやすい反応傾向の結果,看護ケアを阻害した因子をとりあげて,今後どのような看護をするのが望ましいかと考察してゆくことである.
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