特集 病院で死ぬということ—看護婦の立場から
[座談会]ターミナルケアにおける看護婦の働きかけとは
佐藤 美峰子
1
,
佐藤 美香
1
,
津川 若菜子
1
,
太田 博子
1
,
上田 貴子
1
1聖路加国際病院7F病棟
pp.228-233
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904488
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初めて患者の死に接した時
佐藤(美峰子)聖路加国際病院は,新オープンして1年半を経過しました.ターミナルステージにある患者が多い私たちの内科系病棟も,まったく新しくなってスタートしたわけです.そして,オープンの1992年には患者が平均して1か月に7人亡くなっていたのが,1993年には3〜4人くらいに減少しているという背景があります.その間,ある意味では手探りのケアをしてきたのではないかという気もします.また,私自身も成長させられたのではないかと考えていますが,そこで今日は皆さんに集まっていただき,自分がどう変わってきたのかを含めて,ターミナルケアをどう考えるか話し合っていきたいと思います.
まず最初に,佐藤(美香)さんと津川さんは臨床に入られて2年目ですが,初めて患者の死に接した時にどう思われましたか.というのも,先日1年目の登川さんがAさんの死に直面し,「死体を見るのは初めてだったんですよ。とっても手が震えて涙が出てきちゃった」と言っていました.私も初めて患者の死に接した時のことはとても鮮明に覚えているし,ショックでその後ご飯があまり食べられなかったという経験があります.
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